旬のりんごの蜜。実は甘くないって知っていましたか?そこで管理栄養士が、りんごの蜜の秘密を解説します。
りんごの蜜の正体はソルビトールという甘味成分です。ソルビトールの甘味の感じ方は一般的な砂糖と比較して6〜7割程度。またソルビトールは爽やかな甘味が特徴なので、りんごの蜜の部分だけを食べてもそこまで甘味を感じないのです。
反対に蜜の入っていない果実の部分には、果糖という成分が含まれています。果糖は甘味を感じやすい成分なので、果実と比較しても蜜の部分の甘味は感じにくいと言えるでしょう。
甘味は少ない蜜ですが、蜜が入っていることはりんごが熟している証拠になります。りんごは成長の過程で、まず葉でソルビトールが作られて、その後ソルビトールは果実の部分に移動して果糖などの糖へ変化します。この時点では、まだ蜜は存在していません。
その後、りんごが熟していくと果実の中に糖が溢れるようになり、細胞の中に入ることができなくなってきます。この溢れ出した糖がりんごの蜜なのです。
りんごの蜜は、完熟により糖が流れ出たもの。蜜自体に甘味は少ないですが、蜜があるということは溢れるほど糖が含まれているということなので、美味しいりんごと言えるでしょう。
また、蜜入りりんごは、蜜のソルビトールの爽やかな甘さ、果実の果糖のしっかりとした甘さと2つの甘さを味わうことができます。すっきりした甘味が入ることで、バランスの良い味わいになります。
蜜入りは完熟している証拠です。そのため、蜜入りのりんごはできるだけ早めに食べるようにしましょう。爽やかな甘味が入っているので、ジャムやアップルパイにしても美味しくいただけますよ。
蜜入りりんごは甘味のバランスもよく、完熟していて美味しいりんごです。早めに食べ切るなどして、ぜひ美味しい瞬間を楽しんでみてくださいね。
フリーランス管理栄養士。献立・レシピ・栄養バランスが即キマる! 即決バランスクッキングスクール代表。「忙しくてもちゃんと簡単に自炊」をサポートするコンテンツ・レシピを提供。延べレシピ開発数は2,000以上。