2024年の元日夕方に発生した能登半島地震。石川県七尾市に住むクックパッドアンバサダーの悠美姉さんは自宅で被災し、改めて「食」の大切さに気付かされたと言います。そんな悠美姉さんが被災地で暮らす中で実際に役立ったレシピをご紹介します。お住まいの地域では震災直後から電気とガスは使えましたが、断水が発生し現時点でも水は出ていないそうです。今回は、おうちにあるもので簡単に作れる出汁のきいた旨味たっぷり!「魔法の粉」レシピを教えてくれます。
クックパッドアンバサダーの悠美姉です。 地元・能登に根付いた「食」に関する活動を行なっています。
スイッチを押せば電気が付き、コンロでは食材を調理でき、蛇口をひねれば水がでる。こんな当たり前だと思っていた便利な生活が、能登半島地震が発生し一気に不便な生活に変わりました。現時点でも、地域によって生活に必要な電気、ガス、水の復旧状況が全く違います。
石川県七尾市では、震災から1ヶ月以上経った今でも断水のために水が使えず、トイレやお風呂はもちろんのこと、食事を作る上でも不便な生活を送っている方も多くいらっしゃいます。 食材の汚れを取り除いたり、使った食器を洗ったりと、食事のためにどれだけ水が大切なのかをこの震災を通じて実感している状況です。
今回は家にある材料で作ることができる「旨味たっぷり魔法の粉レシピ」をご紹介します。これさえあれば、調理の準備や後片付けの水を節約し、汁物や副菜などいろんな料理で活躍してくれます。
塩昆布……大さじ1
削り節……6g
白ごま……小さじ1
乾燥わかめ……小さじ1
塩昆布、削り節、白ごま、乾燥わかめを用意し、密封容器にいれ、蓋をして容器を振り全体を混ぜ合わせます。
工程はたったこれだけ!
ポイントは白ごまを入れることです。白ごまを入れて容器を振ると、白ごまが鰹節を細かく砕いてくれるんですよ。細かくなった鰹節は、料理で使う際にも使いやすい状態になります。
断水が発生しているときには、包丁などの調理器具を最小限にすることや、食べ終わった後の洗い物も少なくすることが必要です。洗い物も含めて水を多く使うと自分たちで使った分の水をまた供給するために、水を汲みにいったり、飲み水を買ったり支援物資をもらいにいったりする必要があります。これが大変な重労働になります。
旨味たっぷり魔法の粉は、調理器具を使わずに家にある材料を容器にいれて振るだけで作ることができるのでとても簡単です。「そういえば家にあった」という材料を混ぜ合わせるだけで、いろいろな旨味がミックスされた旨味たっぷり魔法の粉ができあがります。できあがった旨味たっぷり魔法の粉を使えば、鍋を用意せずに出汁がしっかり効いたおいしいお吸い物やお味噌汁、また副菜を簡単に作ることができます。
続いては旨味たっぷり魔法の粉の活用方法をいくつかご紹介します。
旨味たっぷり魔法の粉……大さじ1
お湯……150ml
【作り方】 お椀に旨味たっぷり魔法の粉を入れ、お湯を注ぎ全体を混ぜ合わせます。
塩昆布の塩味も効いているのでこのままでも十分おいしいですが、物足りない場合は醤油を少し垂らすとよいですよ。
旨味たっぷり魔法の粉……大さじ1
味噌……小さじ2
お麩……お好みで
お湯……150ml
旨味たっぷり魔法の粉、味噌、お麩を容器にいれます。
お湯を入れたらよくかき混ぜてできあがりです。
家にある味噌は出汁が入っていないものを使っているというご家庭でも、旨味たっぷり魔法の粉を加えることで出汁がしっかり効いたお味噌汁を簡単に作ることができます。乾燥わかめ、塩昆布、そして鰹節などさまざまな乾物が入っているのでこれらも具として楽しむことができますよ。具たくさんのおいしいお味噌汁をお湯を注ぐだけで作ることができます。
もやし……1袋
旨味たっぷり魔法の粉……大さじ1
醤油……小さじ2
ごま油……小さじ1
もやしを電子レンジ調理可能なビニール袋にいれ、旨味たっぷり魔法の粉、醤油を加えてよく混ぜます。
耐熱皿の上に手順2をのせ、ビニール袋の封はせずに電子レンジ600wで2分加熱します。
ごま油を加えて全体をよく混ぜたらできあがりです。
※ビニール袋は必ず電子レンジ調理に対応しているものを使用してください。また、加熱の際はビニール袋を耐熱皿の上に置き、密封しないでください。
※火傷や火災の原因になる場合があるため、ごま油は必ず加熱後に加えてください。
おうちにある材料を容器にいれて振るだけで作れる旨味たっぷり魔法の粉。普段の生活でも常備しておくと料理に使うことができて便利です。ぜひ、ローリングストックの1つに加えてみてくださいね。
※被害状況や復興支援に関する情報は執筆時点(2024年2月初旬)のものです。
※イメージ画像提供:Adobe Stock
3人の子どもを育てるワーキングママ
発酵食のレシピ開発で料理の今昔を繋げる
地元・能登に根付いた食に関する活動を行なっており、旬素材を⽣かして楽しめるレシピも得意。発酵⾷エキスパート1級を取得し、いしる(⿂醤)など能登の発酵⾷をもっと⾝近に楽しんでもらえる洋⾷アレンジなども⾏い、今と昔を繋げる料理を⽬指しています。