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コラム

そのイライラや不安、“脳の疲れ”が原因⁉️脳を休ませる「おひとりさまごはん」のススメ

「いつもイライラしてしまう」「必死にがんばっているのに結果が出ない」「休んでいるのに、疲れが取れない」 それはもしかして、体ではなく、脳が疲れているのかもしれません。そこで今回は、脳科学者の茂木健一郎氏による著書『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)から、最高のパフォーマンスを手に入れる脳の休ませ方について、少しだけご紹介します。

仕事も勉強もうまくいかないその原因、
もしかしたら脳の疲労にあり!

「なんだか疲れが溜まってきたな......」と感じたときに、皆さんは一体どんな行動をとるのでしょうか?

・休日に家でゴロゴロして過ごす
・温泉に浸かって癒される
・マッサージをして疲れた部分をほぐす

確かに、疲れを取る方法として考えられるものはたくさんあります。ですが、これらはあくまで身体を休ませる方法であり、脳も休ませることができているとは限りません。

その証拠に、いくら家でのんびり過ごしていても、なかなか疲れが取れなかったり、逆に余計に身体がだるくなってしまったりしたという経験はありませんか?

何を隠そう、その原因は「しっかり脳を休ませてあげられていない」というところにあるのです。

私たち人間の脳というのは、いくら身体を休めていたとしてもしっかりと活動しており、脳疲労がどんどん蓄積されていっているのです。それが具体的にどういうときかといえば、入ってくる情報の量が多すぎて脳の処理が追いつかないときや、人間関係などのストレスで自律神経が乱れているときなどです。

脳に疲労が蓄積されればされるほど、脳の働きが低下し、身体全体に影響が出てしまいます。こうした悪循環が、休日にいくら家でのんびり過ごしていても、なかなか疲れが取れなかったり、逆に余計身体がだるくなったりする原因なのです。

脳の疲れは見過ごしやすい⁉️

「やることは多いのに、どうもやる気が出ない」
「いつもイライラしてしまう」
「疲れて眠いはずなのに眠れない」
「目の疲れやひどい肩こりや腰痛を抱えている」

これらはまさに、「脳が疲労している」サインだといえるでしょう。

脳が疲れているときというのは、精神的なストレスや外部からの情報を詰め込みすぎてしまって脳が正常な機能を果たせていない状態になっているときです。そんな脳が疲れ切った状態であることを知らずに、「もう少しだけ頑張っておこう」などと無理を重ねれば、脳の疲労はどんどん蓄積していってしまいます。

また、「脳が疲れている」ということには、ちょっとした罠が仕掛けられています。

それは、身体の疲れのような全身に感じる疲労感や筋肉痛などといった実感のある疲労ではないため、ほとんどの人は、今、自分の脳が疲労しているかどうかを、判別することができないということです。

特に、毎日のように忙しく働いているビジネスパーソンは要注意です。ここで一度、日々の行動を振り返ってみてください。

「自分さえ我慢すれば仕事がうまくまわる」
「結果を出すためには、ある程度の無理は仕方ない」

そう考えて、自分の脳の疲労を見過ごしてしまっている可能性があります。脳を休ませるためには、こうした脳の疲労の見過ごしや、自分自身との対話不足を解消するところからスタートしなければなりません。

好きなものを自分のペースで食べる!
「おひとりさまごはん」で脳を休めよう

脳を休ませるには、いかに「自分時間」を確保できるかが大きなポイントになってきます。

私たちの毎日の生活は、ときとして自分だけではコントロールできない状態になることがあります。そして、いい意味でも悪い意味でも、時間がどんどん過ぎていってしまいます。その毎日が積み重なって、自分自身に目を向ける暇もないまま、1週間、ときには1ヶ月があっという間に過ぎていってしまうということがあるでしょう。そういった方は、脳を休ませるという意味でいえば黄色信号になっています。

一人になれば、自分にとって大切なことに思いをめぐらせ、起きた出来事についての自分の気持ちを整理することができます。しかし、こうした自分時間は、意識的に持つようにしなければ、いつの間にか日常生活の流れに呑み込まれ、どこかに置き去りにされてしまいます。そして、そういう時間を持つことができないと頭のなかの混乱を整理することができなくなり、さらに心配事やストレスを抱えることになってしまうのです。

ここで、こうした自分時間を確保するための、とっておきの方法を一つ、お伝えしたいと思います。

それは、「おひとりさまごはん」です。つまり、一人で食事をするということです。

「一人で外食することに慣れていない!」
「みんなで食べたほうが美味しいに決まっている!」

そんな声が聞こえてきそうですが、意識的に脳を休ませるという意味において、この「おひとりさまごはん」は極めて有効です。誰かと食事をすると、気を遣ってしまい、どうしても味わって食べることができなかったりします。また、「何を食べるか」などということは、他人と一緒にいると、ある程度妥協しなければならないときがあります。

一人でいることによって、食事においてさまざまなことを自由に決めることができるということも、脳がアイドリングを始める大きなポイントになるのです。私自身、ランチタイムの「おひとりさまごはん」はちょっとした楽しみでもあり、脳を休める絶好のタイミングでもあると思っています。

自分が好きなものを自分のペースで食べることで身体の栄養になることはもちろん、脳への栄養にもなります。実は、ドーパミンという報酬系の脳内伝達物質が出るのです。ドーパミンは、自分が好きなことをしているときに分泌しやすい特徴があります。つまり、自分一人で美味しいものを食べているときにもドーパミンがあふれ出ているということです。

「おひとりさまごはん」の手始めに、まずは居心地の良さそうなカフェなどに足を運んでみましょう。窓からの眺めがきれいだったり、ソファ席があってゆっくりできたりするお店がいいでしょう。

ただし、この「おひとりさまごはん」には一つ注意事項があります。

それは、一人でいることによって、ついつい時間を持て余してしまったり、手持ち無沙汰になったりしてしまったときに、すぐにスマホを取り出して、時間を潰そうとしないということです。

ここはグッと我慢して、何もせず、あえてボーッとするのです。時間をかけて一杯のコーヒーを味わってみる、あるいはゆっくり時間をかけて食事を味わうということに集中してみましょう。

本文は『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)より一部抜粋・編集しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

これまで私たちは、がむしゃらに働くことが当然とされてきました。しかし、AI時代の今、人間には長時間労働ではなく、クリエイティビティが求められています。そのためには、ひらめきの力が必要なのですが、脳が疲れていると十分な成果を生み出せません。
高いパフォーマンスを発揮している一流と呼ばれる方々は、上手に脳を休ませています。例えば、私が留学していたイギリスのケンブリッジ大学の研究室では、ティータイムがありました。みんな忙しいはずですが、ティータイムの時間が来ると、作業を中断し雑談に花を咲かせるのです。こうしたオンとオフのメリハリがあるからこそ、脳が休まり、いい研究ができるのです。
みなさんもしっかりと脳を休めて、高いパフォーマンスを発揮してほしいと思います。

書籍紹介

『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)
「必死に働いているのに、結果が出ない」
「休んでいるのに、疲れが取れない」

それは、もしかして脳が疲れているのかも。

一流のビジネスパーソンやクリエイターは、目一杯働いたら、あえてボーっとする時間をつくり脳を休ませて結果を出しています。

例えば、
・短時間の仮眠で頭をスッキリさせる
・一人で美味しいものを食べて「幸せホルモン」を出す
・目の前の課題とは関係ないことをぼんやり考える
・寝る前に前向きに1日を振り返る
といったことで脳を休めているのです。

脳科学者である著者自身も、1時間のジョギングのときにアイデアを思いついたり、意思決定をしたりしています。
生成AIの出現で人間にはクリエイティビティが求められる今、脳を休ませて最高のパフォーマンスを発揮する。
これこそAI時代の休息術!

著者紹介

茂木 健一郎(もぎ けんいちろう)
脳科学者。1962年、東京都生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。東京大学大学院特任教授(共創研究室、Collective Intelligence Research Laboratory)。東京大学大学院客員教授(広域科学専攻)。屋久島おおぞら高校校長。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了、理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現職。脳活動からの意識の起源の究明に取り組む。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。著書に、『頭は「本の読み方」で磨かれる』(三笠書房)、『クオリアと人工意識』(講談社)などがある他、IKIGAIに関する英語の著作が、世界31カ国、29の言語で翻訳出版される。2022年4月には、二冊目の英語の著作 The Way of Nagomi(「和みの道」)が出版された。

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